我が社は、戦後復興最中の昭和25年9月、関門海峡に面した唐戸市場において創業しました。その後、四半世紀を過ぎた昭和49年11月に、伝統あるふくの食文化を下関から全国へ、そしてアジアから世界へと発信することを目指し、ふくの一元集荷を目標に、ふく卸売部門を南風泊市場へと移転しました。平成17年8月には、鮮魚の集荷を強化するため下関漁港市場へ参入し、唐戸・南風泊・下関漁港の三市場を拠点に、仲卸業者・生産者・各地市場関係者など業界各位のご支援、ご協力のもと、ふくの本場下関の屋台骨として確固たる地位を築いて参りました。
近年、私どもでは冷蔵冷凍倉庫業のマルウオ冷凍冷蔵(株)、通関・船舶代理店業の(有)ブリッジ、水産加工業の(株)ハートフーズ21などの水産物卸売業に派生する新たな企業群を展開しております。また、ふくの贈答品、土産物小売業の(株)ふくの里、物販と飲食の商業施設、カモンワーフの管理運営を行う下関フィッシャーマンズワーフ(株)など、グループ企業の力を結集し、水産都市・下関のさらなる飛躍を目指しています。
目下、生産者においては、漁業資源の減少・後継者不足、仲卸業者においては、流通構造の大幅な変化や消費者ニーズの多様化、さらには食の安心、安全への対応といった様々な課題に直面しており、私ども業界は変革の渦中にあります。しかしながら、生産者・仲卸業者の皆様と共に、ひとつひとつの課題と真摯に向きあい、皆様の要望にお応えしていきます。我が社の看板商品であるふくに関しては、養殖物が主流となり、各地で取扱い条例が緩和されるなど、消費の裾野を広げふくの食文化をさらに根付かせる機会が訪れております。一方で高級魚としてのふくを守るために、天然物と養殖物の差別化を図り、下関ふくブランドの再構築をおこなって参ります。
水産都市・下関の市場形成が歴史的変化を遂げるなかで、その一翼を担うものとして、この機をグループ力発揮のチャンスと捉え創意と飛躍を期す決意です。私ども下関唐戸魚市場は、ここ南風泊市場に日本一のふく市場を築き上げた先人の志を受け継ぎ、伝統の中にも革新の炎を失うことなく水産業界発展のため邁進して参ります。